五線譜で演奏する
2018/04/09
五線譜で演奏する時の注意点
尺八を演奏する時は尺八の楽譜解説で解説したように尺八譜を使うのが一般的です。
しかし、尺八譜で書かれている曲ばかりではありません。
そこで五線譜で演奏できれば曲の幅は大きく広がります。
では、五線譜で尺八を吹く時はどうすれば良いでしょう?
五線譜で尺八を吹く時はロツレチを書き込んで演奏する人が多いと思います。
慣れている人でしたらそのまま吹けますが、そんな人にはこの解説は必要ありません。
ドレミ…をロツレチに書き換える場合、重要なのが何寸管を使うか?ということです。
尺八のロツレチ譜は運指の名称で。
ロツレチだけでは音の高さは決まりません。
何寸管を使うか決まって初めて音の高さが決まります。
八寸管のロ=D(レ)と六寸管のロ=E(ミ)は同じ「ロ」でも違う音になります。
ですので、五線譜でロツレチに変換する場合、まずは何寸管を使うか?を一番最初に決めなければなりません。
尺八の長さはどうやって決める?
筆者の場合、まず調号を見ます。
五線譜の最初に付いている♯や♭の記号ですね。
これがいくつかによって大体の目安となります。
次に一番低い音と高い音を見ます。
これで大体使う管を決めます。
あとはざっと全体を見てメリ音が少なくなりそうな長さに決めます。
使う管が決まればあとは楽譜にロツレチを書き込んでいけば尺八で演奏できます。
その際、こちらの運指表を参考にすると良いでしょう。
こちらの表は八寸管用ですので、他の長さの管の場合はまず「ロ」がどの音になるかを見つけると、ずらすだけですので解り易いです。
尺八はおおざっぱに「一寸半音」ですので、例えば二尺管でしたらロ=C(ド)、一尺五寸管でしたらロ=(F)となりますので、その音を基準に探していけば簡単です。
また「尺八譜は管の長さを決めないと音の高さが決まらない」という事は裏を返せば尺八の管の長さを変えると簡単に移調が出来るということです。
ロツレチで書いてある楽譜は管の長さを変えればどの調でも演奏できます。
例えばハ長調(調号無し)からニ長調(♯2つ)へ転調させたい場合、八寸管用で書いていたロツレチをそのまま六寸管で吹けば大丈夫です。
と、いうようにロツレチで書いてある楽譜も使い方次第では便利になります。
楽器はやはり自分の好きな曲を演奏するのが一番楽しいです。五線譜でも演奏できれば沢山の曲を楽しめますので、是非挑戦して下さい。
調号ごとに使いやすい長さをまとめました。
1.8=1尺8寸です。
ハ(リ)、ツ、ハメリ(リメ)、ロ、レを基音とした調ごとにまとめてあります。
例えばCのツ調だと、2尺3寸のツがCの音になります。
また、この各調はスケール練習として使えます。
この5つのスケールはスムーズに演奏できるように練習しましょう。
いろいろな長さの尺八の対応表
尺八は半音ずついろいろな長さがありますので、五線譜との対応表を作ってみました。
五線譜を演奏する時の管の長さを決める時の参考にお使い下さい。
見にくい場合、クリックすれば拡大されます。
拡大後、右上の「✘」をクリックすれば元に戻ります。
スマホの場合、横向きにした方がみやすいかと思います。