尺八の選び方
2016/07/21
始めに
筆者は小規模ながら尺八を教えていますので、尺八をどこで買えばいいのか?という事をよく聞かれます。
インターネットで調べてみても色々なお店は出てくるものの、違いもよく分からない…という意見も聞かれます。
そこで調べられる限り所在地やHPへのリンクをまとめてみましたので、参考になれば幸いです。
尺八工房・販売店リンク
人それぞれ好みの音や癖も違いますので、全ての人に最高の楽器はありえません。
ですが、自分にとって最高の楽器に出会える確率が少しでも高くなってくれれば嬉しいです。
ここでは、楽器を選ぶ際の私なりのポイントをまとめてみましたので、参考程度にどうぞ。
尺八の価格について
尺八の価格の決め方
基本的に尺八の価格は「言い値」です。
価格のほとんどは「技術料」と「手間賃」です。
尺八はとてもシンプルな構造ですが、いくらなんでもそこらへんに生えている竹を切ってきて、適当に作って出来上がり!という事はありません。
尺八の竹は「真竹」という種類です。これは比較的広く分布していますが、
尺八に使える竹材は限られます。
尺八は根から七節と決まっていますし、根の間隔や節の間隔によって作れる楽器の長さも変わってきます。
ほとんどは楽器にできない物ばかりです。
現在では竹材を掘る専門家から購入する事が多いようです。
また竹は全て形も太さも違います。
ですから一本ずつ手作業で仕上げなくてはなりませんので、大量生産もできません。
ですので、価格のほとんどが手間賃になってしまうのも仕方無いのかもしれません。
また、売れる数も他の洋楽器等と比べると圧倒的に少ないので、どうしても高価になりがちです。
尺八の価値とは?
尺八の価値とは何かというと、「楽器としての性能」と「工芸品としての価値」があります。
「楽器としての性能」とは調律が合っているか?鳴りは良好か?メリ、カリの音が出しやすいか?
等演奏する上で自分にとって使いやすいか?という価値であります。
これに対して、「工芸品としての価値」は見た目が良い竹材を使っているか?歌口や中継ぎに金、銀を使っているか?
等です。これらは楽器としての性能には何の影響もありません。
あくまで「見た目」を良くするためにやっている事です。
作る方の心情としては、良い竹材が入ったので装飾も施して見た目も良くしたいという事はあるでしょう。
ですが、安い尺八だからといって手を抜いて作るという事はしないでしょう。
そんな事をしたら信用が無くなってしまいます。
ですから、値段が高い=性能の良い楽器というわけではありません。
筆者は楽器の性能のみでどの楽器を購入するか決めています。
楽器の選び方
尺八を買うには?
一般的な尺八の価格の決まり方を解説しましたが、それでは具体的にどう選べば良いか?
ここからは「性能の良い」楽器を選ぶには?という方向で書いていきます。
まずは楽器をどこで買うか?という事になります。
尺八を買うには一般的に、製作者から直接買うという方法があります。
製作者がお店をやっていて、そこに行き楽器を選び購入します。
製作者と直接相談しながら購入出来ますし、購入後に調整や修理等アフターサービスもあります。
大半の方がこの方法で買っていると思います。
その他の方法としては、製作者が卸している楽器店や中古を扱っているお店で購入する方法もあります。
やはりおすすめは製作者のお店に行き、楽器を試し吹きさせてもらい、選ぶのが一番です。
尺八製作を行っているお店のリストを製作しましたので、そちらも参照して下さい。
何店舗か回って製作者に相談しながら沢山試してみるのをおすすめします。
価格もお店により、かなり違います。
アフターサービスもお店により違いがありますので、HP等参考にして下さい。 通信販売を行っているお店もありますが、楽器は人により相性の差がかなりありますのでお店に行き必ず自分で試し吹きをして選びましょう。
Yahooオークション等でも中古の尺八が沢山ありますが、やはり試し吹きが出来ないので満足のいく楽器を購入できる可能性は限りなく低いでしょう。
選ぶ時のポイント
では試し吹きする時に気をつけるポイントは何かというと、
・音は出しやすいか
・各音のバランスが取れているか
・調律は合っているか
・メリ、カリは出しやすいか
等があります。 尺八の音のほとんどは内径と歌口で決まりますので、ここで製作者の個性が出ます。
そこの楽器の音色が好みに合うかどうかも重要です。
自分で吹いてみてもよく分からない!という方はご自分の先生か自分より上手い人に一緒に行ってもらってアドバイスをもらうのも良いでしょう。
が、あくまで吹くのは自分ですので、ある程度は自分で決められるようになってから楽器購入するのをおすすめします。
粗悪な楽器を使っていると上達スピードにも悪影響を与えますので、こちらを参考により良い楽器に出会えたら幸いです。