楽譜解説(都山・琴古)
2016/07/07
尺八の楽譜の種類
尺八の楽譜には主に2種類あります。流派によって使う楽譜が違います。
流派とは「琴古流」と「都山流」ですね。
こちらがその楽譜です。
左が琴古流で右が都山流です。タイトルを見ると分かる様にこれは同じ曲なんです。
どちらも「六段の調」という代表的な曲です。
こちらは江戸時代に作られた曲ですが、琴古流でも都山流でも演奏出来るようにどちらでも出版されています。
ちなみにこれは同じ曲ですが、書き方だけでなくフレーズも多少違います。
こういったところにも各流派の特色が出ています。
琴古流と都山流の楽譜の違い
それではこの楽譜はどう読むのでしょう?
初めて見る方には何がなんだか分からないと思います。
まず尺八の楽譜は縦書きです。
そして音はカタカナで表されています。
琴古流はロ、ツ、レ、チ、リ
都山流はロ、ツ、レ、チ、ハ、です。
琴古流の楽譜の読み方
リズムですが、まず琴古流は良く見ると音の右と左に点があるのが分かります。
この右の点が「表」拍子、左の点が「裏」拍子となっていて、これでリズムを取ります。
また音の真ん中に縦線が入っています。この線の数にも意味があり、一本線だと八分音符、二本線だと十六分音符…というように五線譜における旗のような意味があります。
左の点は音がない場合省略されますが、存在はしています。
右と左の点は前述のように拍の表と裏の関係なのでセットとなります。
歩く時を想像して下さい。右足と左足はセットですよね?
どちらかだけの足を連続で出す人はいないでしょう。それと同じようなものと考えて下さい。
左の点は省略されることもある、と書きましたが、右の点は省略できません。
音がない場合は○と表記されます。
都山流の楽譜の読み方
対して都山譜は琴古流より新しい流派なので、五線譜の感覚も取り入れられています。
四角のマス一つが一小節を表しています。そしてこちらは音の横の縦線が同じ様にオタマジャクシの旗の役割を持っています。こちらも一本線だと八分音符、二本線だと十六分音符…といった具合です。
休符や付点などで独特の記号を使用していますので、こちらを覚えましょう。
強弱記号などは基本的に五線譜と同じ記号を使用しています。
尺八の運指(琴古・都山対応)
これは基本の音のみですので他にも沢山ありますが、この五つの音を基本としています。
詳細な運指は泉州尺八工房さん製作のこちらがあります。(クリックでPDFに拡大)