音の出し方・吹き方
2016/07/21
尺八の持ち方
まず尺八の持ち方ですが右手を下、左手を上にします。(逆でも可)
下管の一孔と二孔の間に中指を置き、その裏側に親指で挟みます。
上管の三孔と四孔の間にも同じように中指を置きます。(おおよそ中継ぎの部分)
指穴は一孔→右手薬指、二孔→右手人差し指、三孔→左手薬指、四孔→左手人差し指、五孔→左手親指
で塞ぎます。
指は演奏中は常に動きますので、余分な力が入らないようにしましょう。
両脇が上がると肩に力が入るので、軽く閉じ、リラックスしましょう。
尺八を吹く姿勢
尺八を吹くスタイルは基本的に正座、椅子に座る、立って吹くの3つあります。
どれも共通する事は背筋をまっすぐ伸ばし、顔をまっすぐ前を向けましょう。
また、全身に無駄な力が入らないようにしてください。
日常で立ったり座ったりする動作で力を入れない所に演奏中だけ入っていたら、それは無駄な力です。
椅子で演奏する時は背もたれは使わず、背筋を伸ばします。
正座の時は、膝は付けず、少し離して演奏しましょう。
立って演奏する場合は足を緊張状態にせず、柔軟な状態にしましょう。
尺八を吹く時の唇の形
まず、歯をくっつけず、開けた状態で、唇は軽く左右に引きます。
唇の隙間は数ミリ程度で「フー」と吹きます。
この時、唇を突き出したり、唇を中に巻き込んだり、極度に力を入れてはいけません。
自然な形が一番です。
そして、口の中ですが舌が上になったり、極端に下げる必要はありません。
唇を少しだけ開き「ウー」という声を出すと、自然と口の中に空間ができます。
これがちょうどいい空間となります。
また、上下の歯は極端にどちらかが前に出ている状態は不自然です。
軽く上下が揃う位置でいいでしょう。
尺八の当て方
大体、閉じた唇の合わせ目に歌口のエッジを合わせます。
そのまま尺八の管尻を下げ、尺八を立てると大体ちょうど良くなります。
この時、唇と歌口を近づけすぎても、離れすぎてもいけません。
ちょうど良い距離になるよう鏡を見たり、熟練者に見てもらったりして調節しましょう。
初期の場合、歌口と唇が近い方が音を出しやすいので、どうしても近づけがちになってしまいます。
ですが、そのままでは良い音は出ません。
しっかり顔を前に向けて歌口と唇の間に空間をつくりましょう。
メリとカリ
最初のうちで関門となるのがメリとカリです。
主に使うのはメリでしょう。
そもそもメリとカリはなぜ音が変わるのでしょう?
それはメリとカリであごを動かすことによって吹き口の塞ぐ面積が変化し、
音程が高くなったり低くなるのです。
これは正面から見た場合、歌口と唇の距離で分かります。
歌口と唇が近づけば「メリ」の状態で、逆に離れれば「カリ」の状態です。
ですから、メリを教わる時「あごを下げる」と教わって一生懸命あごを下げても
一緒に尺八も動いてしまっては音が変化しません。
メル時はあご当たりの部分を支点にして、管尻は動かないようにすれば良いのです。
メリやカリはどれ位動かせば良いかというのは個人差があり、数字では表せません。
一番大事なのは「音程が正しいか?」という事です。
これは自分の耳で調節するしかありません。
ですから、メリ、カリの練習はなるべくよく知っていてメロディーが分かる曲にしましょう。
そうすれば音程がずれた時分かりやすいです。
最後に
尺八は難しいとイメージをお持ちの方がいるかもしれません。
確かに初心者がいきなり楽器を渡されて音を出せと言われても難しいかもしれません
しかし、きちんとした指導者にしっかり教われば、思っているほど難しくはありません。
筆者も何人も指導してきましたが、全く音が出なかった人はいませんでした。
尺八は最初が一番大変な楽器です。
息は苦しいし、音は出し辛いし、出ても音程はメチャクチャだし、楽譜は読めないし…
というところが初心者の共通の悩みのようです。
ですが、これを乗り越えて自分で好きな曲を色々と演奏出来るようになると、
途端に面白くなります。(これは実際私が経験したことです。)
どんな楽器でもその楽器なりの難しさがあります。
尺八だけ飛び抜けて難しいとは思えません。
肝心な事は良い指導者にきちんとした指導を受ける事です。
そして最も大事な事は「楽しむ」事です。
今まで出来なかった事や吹けなかった曲が出来るようになる。
これはやはり嬉しい事ですし、気の合う仲間を見つけて好きな曲を合奏する。
こういった事が音楽の面白さでしょう。
辛いだけでは絶対に続きません。
とにかく「楽しむ」事を目指して音楽生活を送りましょう。
また、筆者も尺八教室を開講しております。
よければ一度遊びに来て見てください。